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『カルチャーショック』 ~ アメリカ留学を考えている皆さんにぜひやってほしいこと~

アメリカに来る留学生の目的はいろいろです。

「英語も全然できないので、語学学校からという方から、すでに大学の入学を決めている人、はたまた理系の研究などで大学の研究室などに来る人などさまざまでしょう。

私自身も海外で語学学校に通い、大学の講座を受講し、社会人になってからは欧米の語学学校で働いた経験がありますので、そんな中で出会った、日本人学生が直面するカルチャーショックについて、今回は書いてみたいと思います。

ある島国の語学学校で働いていた時に、10代の日本人女性が1カ月間のホームステイにやってきました。学校は英語オンリーのルールがあり、話してよい言語は英語のみでしたので、同じ国籍の学生が来ても、通常は英語で会話をしていました。私自身も、日本人留学生に対しても英語しか使っていませんでしたので、当時の私は多分、学生には「日系〇世の現地スタッフ」と思われていたのではないでしょうか。日本語を使うのは学生が病院送りになったときか、学生に法律的な問題が生じたときくらいでした。

その日本人留学生は初日、とっても元気でした。

「とにかく楽しみにしてきたので、勉強も観光も、頑張ります!」と、明るく活発な様子でした。ところが、なんと1週間後、彼女から笑みは消え、2週間後には休み時間に泣いていました。話を聞くと、

「みんな英語だし、授業もよくわからないし、暑いし、周りは海に囲まれてるから、脱出も帰国日までできないと思ったら涙が止まらない・・」

とのことでした。でも、彼女コレ、英語で普通に言ったのです。この文章が言えれば、語学学校での授業は、多少分からない文法や単語があっても問題ありません。しかもレベル分けして妥当なクラスにいるのですから、先生やクラスメイトは充分彼女のことが理解できるはずです。確かに毎日40℃くらいあって、暑かったのは事実です。でも校舎は冷暖房完備なので泣くことはありません。二つあった校舎を炎天下の中、徒歩で行き来していたスタッフの私の方が泣きたいくらいでした。結局のところ、日本で仲良くしているような友達ができていない、というのが「泣き」の原因でした。

語学学校の授業では、あるトピックについてディスカッションをする、というのが中級以上のクラスにはよくあります。例えば、私が語学学校に通っていた時は「捕鯨問題についてどう思うか」という、今考えると、語学学校としてはかなりキワドイ題材を扱った時もありました。その時に「自分はこう思う。なぜなら①理由1②理由2」などというように、自分の意見を根拠と共に述べないといけないのですが、多くの日本人はこれが結構苦手なのです。

先生に泣いていた女性の状況を聞いてみると、私が想像していたように、

「あまり意見は言わないけど、クラスを乱すことは全くない。いつもニコニコしていてとってもいい子」

という意見でした。

授業では先生から指名されたときに、一定の時間はクラスメイトもその人の意見に耳を傾けます。しかし、それですら自分の意見を言えないようなら、プライベートではどうでしょう?多少英語ができなくても、他の国の人は一生懸命自分の好きなことや嫌いなこと、意見を述べようとします。それを「うん、うん。」とただ聞くだけの人は一緒にいて楽しいでしょうか?おそらく他の人にしてみれば「何を考えているのだ、この人は??」と透明人間のような感じになってしまいます。つまり面白くないのです。この女性は何に対してもそれほど深く考えたことがなく、意見もあまり持ち合わせていませんでした。

「なぜ日本人は箸を使うのか?とっても効率が良くないと思う」とか、「なぜ日本の家はセントラルヒーティングシステムを導入しないのか?居間以外はすごく寒い」とか、日本にずっと住んでいると深く考えていなかった事柄についても、外国人から質問されることは多くあります。また「トランプ大統領についてどう思う?」とか「日本人はトランプを嫌う人が多いけど、困っている移民を全く受け入れようともしていない」といったような政治的な意見を聞かれたり、非難されることもたまにあります。

要はあらゆる物事に対して、意見を持つことが重要なのです。言語は二の次。その意見があなたという核を作って、あなた独自の魅力を形成するはずです。

留学を考えている皆さんにぜひやってほしいこと。それはいろいろな物事に興味を持ち「もしこのことについて意見を求められたら、自分はどう思うか?それはなぜなのか?」それらをじっくり考えてみてはいかがでしょうか?

「この意見は英語でどういったらいいんだろう?」と英語の勉強にもきっと役立つし、覚えも早くなりますよ。

ちなみに、2週間目に落ち込んで泣いていた女性。アドバイスをして「頑張ったら最後の週末、一緒にリゾート地の○○に遊びに行こう!」と約束して、1カ月のホームステイを乗り切ってもらいました。本当は特定の学生にそんなこと約束したらいけませんでしたが、私としては時効ということにしています。

記事:藤谷愛

パート2 「留学先の選び方」はこちらからご覧いただけます。

プロフィール

欧米数か国において、英語学校や留学業務で勤務の後、現在は海外のビンテージ雑貨を扱うネットショップの運営や、トラベルライターとして活動。国内最大の旅行検索サイト「トラベル.jp・たびねす」でナビゲーターとして旅行記事を寄稿中。

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