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英語は基本文法を完璧に。初級内容がパーフェクトなら、もう上級者!

語学のプロに聞く!6回シリーズでお届けする英語が話せるようになるためのコツを教えてくれるコラムです。第2回シリーズは、「英語は基本文法を完璧に。初級内容がパーフェクトなら、もう上級者!」です。

英語の文法と聞いて、うわぁ大変と思った方もいるかもしれません。また「英語の文法なんて会話には必要ない、沢山英語のシャワーを浴びれば話せるようになる」などと聞いたことがあるかもしれません。実は私も学生の時にそう思ったことがあり、日本にいながらずっとCNNを流しっぱなしにしていたことがありました。しかし、時間がかかる割に思ったほど話せるようにはならなかったのが事実です。

日本語の語順と英語の語順は全く違い、文の構造も違います。日本語は助詞(てにをは)が単語の品詞を決めるので、単語に助詞が付いていれば、単語の順番を入れ替えても文の意味が通じます。しかし、英語の文章で一つ一つの単語の品詞を決めるものは語順なので、語順を間違えてしまうとその文の意味は通じなくなってしまいます。だから、英語の語順(文法)を勉強することは、とても大事です。

そう私が気づいたのは、英語でコミュニケーションをする機会が増えた社会人になってからでした。言いたいことがあっても、単語を思いついた順番で言うだけでは内容のある会話はできないと気づき、25歳くらいの時に中学1年生の項目から徹底的な文法の復習をしました。それが功を奏したと感じたのは結構後になってからなのですが、やはり今の英語力の土台となったのはこの時に文法書の例文を暗記するくらいに読み込んだことだと思います。

中学英文法→洋書の文法書の順番で学習

私が利用したのは、中学英文法の本一冊と、その内容を扱った洋書(Essential Grammar in Use)でした。中学英語の文法書は、私が学習した15年前では「くもんの中学英文法」を使いましたが、現在では「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。」という本も、とてもおすすめです。

絵が親しみやすいです。

また、これらがハードルが高いと思った方は、「スタートでつまずかない中学英語」で基礎固めをしてから上のどちらかに進むとスムーズです。

さて、文法書の使い方ですが、「文法の内容が理解できる」ことは大前提です。日本語で内容をまず理解し、英語の例文をCDの音声の後に続いて発音します。英会話が出来るようになるために勉強する英文法なので、例文のお手本のようにコピーして言えるまで何度も聞いて口に出して音読して覚えてしまうのが理想です。

以上の文法書が終わったら、その内容(中学英文法)が英語で書いてある、洋書の文法書を学習します。内容は上の文法書とほぼ同じで、違うのは文法の説明も英語で書いてあるということです。

(写真はイギリス英語版です)

Essential Grammar in Use (アメリカ英語版は”Basic Grammar in Use”)は英語圏の語学学校では有名な「Grammar in Use」シリーズの初級編です。このシリーズは1つの文法事項を2ページに渡って扱っており、左ページに解説と例文、右ページにドリルがあります。私の場合は右ページのドリルは使わず、左ページの解説をざっと読んだ後、左ページの例文を一文につき20回ずつ音読し、本を見なくても例文を言えるようにしました。

ここまで終わらせると、「英語が話せる」実感がわいてきます。外国に1人で行ってもなんとかなる自信がついて来ます。

日本の英文法学習書は中学英文法はそのまま会話に使える内容ですが、高校英文法(大学受験準備のための本)は英語を日本語に訳すために書かれたものが多いです。個人的な意見ですが、ある程度の基本的な英語の力(中学英語程度)がついたら、教科書を洋書に切り替える方が、頭の中で翻訳する癖が抜けて良いと思います。

高校で習う文法事項は仮定法と分詞構文ですが、英会話ではその二つはなくても当面大丈夫です。まず中学の英文法を使って身の回りのことを話せるようにした後、下のEnglish Grammar in Useで少しレベルアップすると複雑なことを言えるようになってきます。

(写真はイギリス英語版です)

単語の学習は延々続くが、文法学習には終わりがある!

どんな外国語でも新しい単語を覚えることは必須で、どんなに覚えても「これで終わり」ということはありません。しかし、文法というのは単語習得に比べて項目が少なく、必ず終わりが来ます。そして文法を習得してしまえば、伝わる英語を話すことが出来るようになるのです。

文法学習は机の上でガリガリ勉強するイメージもあるかもしれませんが、身体を動かしながら、ウォーキングしながら何度も同じ例文を口に出してみるといった方が、習得が早い気がします。

学校での数学・歴史といった他の科目に比べて、外国語はずっと実技的な科目で、楽器の練習やスポーツと並べてもいいかもしれません。日本語にない音を出すために口の形を変えたりするのは最初は滑稽な気もしますが、楽器で出来ないフレーズを何度も練習する、またはスポーツで筋トレをする、というのととても似ていると思います。

記事:クボタカズミ

1回シリーズ「英語は壮大な慣れ!かけた時間に比例してできます!」の記事はこちらからご覧いただけます。

クボタカズミプロフィール

2013年より海外在住。日本では、大学附属の外国語ラボラトリーで長年働いていました。現在は公用語が英語と日本語のIT企業に勤務中。小学生の息子と共にマルチカルチャーな環境を楽しんでいます。

「英語ひろば」寄稿:http://eigohiroba.jp/t/259

個人ブログ :Sài Gòn Life