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英語の単語は音声とイメージで、五感を使って覚えよう!

語学のプロに聞く!6回シリーズでお届けする英語が話せるようになるためのコツを教えてくれるコラムです。第3回シリーズは、「英語の単語は音声とイメージで、五感を使って覚えよう!」です。

英単語の暗記…単調でつまらないものと思うかもしれません。しかし知っている単語が多ければ多いほど、英語で読み取れる情報も多くなり、表現できる幅が広がるのもまた事実です。

単語を覚えるのはとても地味な作業。私は「単語帳のような作られたものでなく、生の素材から自然に単語を覚えたい」と思った時期もありました。しかし、単語を覚えるのにいろいろな方法を試してわかったことは、ある程度の英語力(英検2級、TOEIC600程度。あくまで目安です)までは単語帳を使って一気に覚えて基礎英語力を上げた方が、その後の「自然に習得」も上手くいきやすい、ということでした。

一度にたくさんの単語は覚えられないです。そこで大人の英語学習では、自然には知っている英単語は増えないと自覚して、意識して覚えなければいけないものと決めてしまい、毎日のルーチンワークとして、何かに組み込んで(時間を決める、ウォーキングしながら、など)積み重ねることをおすすめします。細く長く毎日続けることである日階段を登るように一段階レベルアップしたことが感じられると思います。

ここでは二つのレベルに分けての単語学習方法をご説明したいと思います。一つ目は、英検2級、TOEIC600までの単語学習方法、二つ目は英検2級、TOEIC600以降の単語学習方法です。

1.英検2級、TOEIC600までの単語学習方法

このレベルまでは、市販の単語帳を使うのが効率的だと思います!ぜひ日々の生活に単語学習を取り入れてください。コツは「薄く何度も」です。

単語帳の進め方

「例えば、一日30分を単語の時間、と決めてCDやMP3の音声を聞きながら単語帳を眺める」

「とにかくまず全体を一回眺めて音声を聞くということが大事。その時点で覚えていなくて大丈夫」

一つの単語帳を5周くらいさせると、なんとなくその単語帳に愛着が湧いてくる頃です。その頃がチャンス。ここで、まだ覚えられない単語、気になる単語は、「英日辞書を引いて、語源を調べる」ことです。

英単語の語源は、漢字の「へん」や「つくり」を知るのに似ています。特に長い単語の場合、語源で覚えられることも多いです。

続いて「英英辞典で定義を調べる」ことです。

私の使っている学習者用英英辞典です。

単語帳で単語の意味を日本語で押さえた上で、英英辞典でも意味を調べると、「英英辞典で調べたものの、何て書いてあるのかわからない」というのが回避できます。

日本語で意味を押さえた上で、英英辞典で単語の意味を調べる癖をつけると、英単語と日本語の単語を1対1で覚えることから抜け出して、その単語に関して自然な語の組み合わせ(コロケーション)に強くなります。

「イメージ検索して、出てきた画像を絵に描く」という方法もあります。

覚えられない単語をGoogleのイメージ検索で検索すると、単語のイメージをたくさんの写真で知ることができるのでおすすめです。

さらに、単語帳にその検索したイメージを見ながら、絵を書き込んでいくと、非常に手間はかかりますが、かなりの確率で覚えられます! (写真は私が使っていた「でる順パス単英検準1級」です。参考までに‥)

続いては、「スマートフォン、MP3プレーヤーのA-Bリピート機能を利用して、文章ごと何度もシャドウイングする」方法です。

これはiPhoneで私が使っているSpeaterというアプリです。もちろんスマートフォンに標準で付属しているアプリや、MP3プレーヤーの機能を使ってかまいません。

特に覚えたい単語は、(その単語だけでなく)例文を丸ごと「A-Bリピート機能」を使ってシャドウイング(聞こえた音声から1テンポ遅れて自分も同じように発音する)を10回ほど繰り返すと慣れてきます。

このアプリは音声の速度を細かく変えることができて便利です。0.7倍程度から徐々に速度を上げると、お手本と同じように発音できるようになります。

2.英検2級、TOEIC600以降の単語学習方法

英語の基礎は出来上がったので、目的別に学習方法を変えましょう。資格試験準備なら、TOEFLやTOEIC用の、また生活に必要な単語は、「オックスフォード・ピクチャー・ディクショナリー」がおすすめです。

オックスフォード・ピクチャー・ディクショナリーは、写真や絵がメインの単語の本です。

日常生活に必要なありとあらゆる単語が、絵と共に載っています。便利です。

日本の受験用・検定試験用の教科書や単語集には、意外に日常に使われるごく基本的な単語が抜けているので、これで補うのもいいと思います。

また、このレベルまで来たら、好きな分野のシンプルな英語で書かれた本、週間STなどの解説付き英字新聞、レベル別の学習者用の本(ペンギン・グレイデッド・リーダーズなど)も取り入れると、実際使われている英語に近くこともできますし、単語学習のモチベーションにもなります。

これは、イギリスの小・中学生向けの科学の本です。

レイアウトは落ち着いていて、大人が読んでも結構面白いです。これは日蝕や月蝕の仕組みです。

単語を覚えることは、英語学習する限り終わりがありません。ぜひ自分にあった方法を見つけて、長く続けてください。私も今も毎日覚え続けています。頑張りましょう!

記事:クボタカズミ

1回シリーズ「英語は壮大な慣れ!かけた時間に比例してできます!」の記事はこちら

2回シリーズ「英語は基本文法を完璧に。初級内容がパーフェクトなら、もう上級者!」の記事はこちら

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クボタカズミプロフィール

2013年より海外在住。日本では、大学附属の外国語ラボラトリーで長年働いていました。現在は公用語が英語と日本語のIT企業に勤務中。小学生の息子と共にマルチカルチャーな環境を楽しんでいます。

「英語ひろば」寄稿:http://eigohiroba.jp/t/259

個人ブログ :Sài Gòn Life